認知行動療法


認知行動療法のアプローチ

 

認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)とは、

人の悩みを次の5つのポイントから考えて、

できるだけストレスを軽くしたり、

気持ちを楽にしたりする療法です。

 

 

5つのポイント

 

環境:人や生活、仕事といった場面

行動:人の態度

認知:考え方・物事のとらえ方・イメージ

情緒:気分・感情

身体:からだ

 

 

人によっては、ストレスの影響から、

どうしてもネガティブな考えが

つづく時があります。

 

そして、ネガティブな考えがつづくことで、

気持ちがつらく苦しくなり、

行動がうまくいかないという

負のループ」にハマりやすくなる

ケースがあります。

 

 

この負のループから抜け出す方法として、

①~⑤のポイントをカウンセリングしたり

ワークをしたりして、こころのバランスを

上手に取れるように改善していきます。

 

 

現在では、日本だけではなく、世界各国で

認知行動療法の効果が認められています。

※うつ病、不安障害、パニック障害、PTSD、

強迫性障害、不眠症、摂食障害、発達障害などの

疾患に効果があるといわれています。

 

 

では具体的に、認知行動療法の基本モデル(図)を使って見てみましょう。

 

 


認知行動療法の基本モデル

 

図が示す5つのポイントに含まれる、

認知をつくる3つの要素も重要となります。

 

 

自動思考(じどうしこう)

その場で瞬間的に出てくる考えや、イメージ。

 

媒介信念(ばいかいしんねん)

:中核信念によって方向づけられた、その人にとっての「正しさ」「思い込み」「ルール」「構え」

 

中核信念(ちゅうかくしんねん)

:幼少期に親から植えつけられた信念。

 

 

認知行動療法では、5つのポイント(環境、行動、認知、情緒、身体)と、認知の3つの要素(自動思考、媒介信念、中核信念)を基本モデルとして、カウンセリングしていきます。

 

 


 

それでは基本モデルを使い、負のループにハマっている人の反応を解説してみます。

例題を用いて、基本モデルに実際の生活を当てはめて考えてみましょう。

 

 

(例題)

 

環境:Aさんは、ご近所さんのBさんに会った。

     

行動:Aさんは、Bさんに挨拶をした。

      

認知:Bさんが、挨拶を返してくれなかったのでAさんは無視された!と思った。

    

情緒:Aさんは驚き、悲しくなり、怒りが込み上げてきた。

    

身体:血の気が引き、胸がドキドキした。

 

 


 

「負のループ」を知る上で特に重要なのは、②行動と③認知です。

 

行動と認知をポイントとして、Aさんという人を見てみましょう。

 

 

現在、負のループにハマっているAさんは、日ごろから気分がパッとしません。

 

どうしてもネガティブな考え方をしたり、嫌なことが起こると「自分のせいだ」と責めてしまいます。

 

 

そんなAさんですが、挨拶だけはどんな時でもキチンとする「べき」だという強い信念をもっています。

 

 

例題では、AさんがBさんに挨拶を返してもらえなかったことで、怒りが込み上げてきて、胸がドキドキする様子がわかります。

 

そして、結果として「挨拶を返してもらえないのは、自分がダメな存在だからだ」という、根拠のない結論づけいつもしてしまうのです。

 

このように、負のループから抜け出せないAさんが、どうすればこころのバランスを上手に取れるようになるのか考えてみましょう。

 


 

修正方法

 

②の行動では、可能性として、挨拶をした時に、Aさんの声が小さくてBさんの耳に届かなかったかもしれませんし、挨拶したタイミングで車が通り、その音が邪魔をしてBさんは聞こえなかったかもしれません。

 

また③の認知では、Aさんが普通に聞こえる声で挨拶した場合であっても、Bさんは考え事をしていて上の空であったり、虫の居所が悪く他のものが目に入らないくらい急いでいたのかもしれません。

 

 

このようにカウンセリングでは、人が普段ストレスを感じる場面を設定して、ストレスをできるだけ軽減できるような様々な可能性を考え、行動と認知を「客観的に」見ることで、行動と認知を修正していきます。

 

 

なぜ「客観的に」見る必要があるかというと、基本的に人は、「主観的に(自分中心)」考えたり、物事をとらえたりしているため、その主観に偏り(かたより)」がある人は、環境に対してネガティブなとらえ方をしてしまうという負のループを繰り返してしまうので、偏りを修正するために客観的に自分をとらえられるようにカウンセリングしていきます。

 

 

修正方法を挙げるなら、行動では、もう一度Bさんに挨拶をしてみるとか、Bさんの視界にハッキリ入るように正面に立つといった行動に変えることができます。

 

認知では、決してBさんは無視をした訳ではなく、考え事をしていたり、ひとつの思いに囚われて、気がつかなかっただけかもしれないと、考え直してみます。

 

 

そして、「無視された!」⇒「無視されたのは、自分がダメな存在だからだ!という自動思考思い込みを、カウンセリングで話したり、ワークをすることで「たとえ挨拶をしたとしても、必ず返してもらえるとは限らない。できれば、挨拶を返してもらえたら嬉しい」というような偏りのない考えに修正していきます。

 

 

このように瞬間的にでてきて、負のループの元になる自動思考を認知行動療法では、

認知の歪み(にんちのゆがみ)と呼んでいます。

 

 


認知の歪み

 

認知の歪みの説明をする上で、その代表的な5つをご紹介します。

 

白黒思考

物事の判断を「白か黒か」ハッキリさせないと納得ができない思考。常に100かゼロか、生きるか死ぬか、できるかできないかといった、極端な選択肢が2つしかないことで、生きづらくなる。

例)「親はいつも正しくあるべきだ」

「仕事が失敗したら、死ぬしかない」

 

 

自責思考

上手くいかない時に、その原因を常に自分自身に求め、絶望するまで自分を責めてしまう思考。

例)上司の機嫌が悪いのは、営業成績が上がらない自分の能力の低さのせいだと考え、自分を責めつづける。

 

 

破局化思考

将来に対して悲観的な予想をして、自分がすることはいつも裏目に出てしまうと考える思考。

例)何事であっても、実行する前から「絶対失敗する」「どうせできない」と決めつけて、結局やらない。

 

 

べき思考

自分や相手、生き方や社会が「こうあるべきだ」「こうでなければならない」とひとつの考えに囚われて、他の考えは選択しない思考。

例)「自分は完璧であるべきだ」「美しさを保たなければ、男性から受け入れられない」

 

 

肯定面を考慮しない思考

結果を出せたり、容姿が美しかったり、能力が発揮できたとしても、自分自身の肯定的な面を認めない思考。

例)「綺麗ですね」とほめられても、肯定せず「ブスです」と否定してしまう。

 

 


まとめ

 

認知行動療法は、相談者(クライエント)とカウンセラーが協力し合いながら、クライエントの望む目標を立てて、計画的にカウンセリングを進めていきます。

 

そして、カウンセリングに取り組む中で特に大切なことは、「今、ここ」という感覚をクライエント自身がつかむことです。過去でも未来でもない「今、ここ」という感覚を感じられることで、過去の失敗や未来への不安に囚われることなく、軽快に生きていけるようになります。

 

 

当サロンでは、副作用の心配のない認知行動療法をおすすめしております。

認知行動療法に取り組むことで、少しでも生きづらさが楽になることを願っています。